Commons:構造化データ/GLAM
ウィキメディア・コモンズの構造化データは、文化遺産関連のデータの恩恵を受けています。ウィキメディア・コモンズに収蔵するファイル類の記述は構造化されたメタデータとして、機械可読で多言語版であり(Linked Open Data=リンクト・オープン・データ、略名: LOD)、著作権やその継承情報も構造化し、さまざまなAPI類と受け渡しができます。
構造化データとGLAMについて
ウィキメディアのプラットフォームは美術館、図書館、公文書館、博物館(GLAM)から提供を受ける情報に支えられています。文化と歴史遺産関連の機関は世界各地にあり、それぞれ収蔵品と知識を共有する機会を待っています。百科事典的な方法で使える情報もあれば、より構造化された形式で使えるものもあります。
構造化したこの知識を共有するには、一つの方法として、それぞれの機関がすでに検証し修正した情報群を介すること、また状況によっては当該のデータベースをオンラインで公開している場合があります。それぞれの収蔵品の集合体と付随する情報であれば、ウィキデータであれコモンズであれ、構造化データのエコシステムに適合しやすく、コモンズの場合にはコモンズ版の構造化データ(Structured data on Commons、略称SDC)に掲載可能です。
コモンズ版構造化データは、学術機関である GLAM が管理するメディアファイルに添えてメタデータを共有する受け皿となり、それぞれ相互により連携する形になります。一つには、データを翻訳しやすくなること、機械可読でアクセス権のリソースを明示し、他のファイルや他の機関提供のメタデータとの連携が図れます。メディアファイルの場合、このコモンズ版構造化データによりコモンズ上で検索の適性が高まる点が挙げられ、その素因として新規導入したコモンズの検索方式すなわちメディア検索が寄与し、ウィキメディア横断構造化データ(Structured Data Across Wikimedia)プロジェクトの効果により、メディアファイルは複数言語版のウィキペディアで活用が増えました。
GLAM ならびにコモンズ版構造化データの詳細は、ページ上部のヘッダ欄に並んだタブを押すとご参照いただけます。また、専用のポータルとしてメタウィキ上にGLAM-Wiki対応の構造化データ※をご用意しました。(※=Structured data for GLAM-Wiki)
関連項目
ウィキメディア横断構造化データ
コモンズ版構造化データプロジェクトの続きは、Alfred P. Sloan Foundation (Q1200258)の目的限定型の継続助成金によって現在開発中の、ウィキメディア相互の構造化データ (SDAW) プロジェクトです。
SDAWプロジェクトは、機械可読になる方法で構造化データをウィキテキストページ上でより使いやすくすることを目指します。データの閲覧、編集、検索の容易さを高め、プロジェクト横断およびインターネット全体でよりアクセスしやすくすることが目標です。
GLAMおよび(コモンズ版構造化データを施した)ウィキメディア・コモンズの研究とそのリソース
文化機関は、具体的にどのようにウィキメディア・コモンズに貢献しているのでしょうか? 先方のニーズとは? コモンズに掲載したことで、文化機関のメディアファイルは外部のプラットフォームでどのように再利用されているでしょうか? 以下のリソースから、次の洞察がもたらされます。
コモンズ版構造化データに関連する
- (2017年-2018年)GLAMからウィキメディア・コモンズに寄せられた貢献(仮題※) – GLAMによるウィキメディア・コモンズへの貢献を把握する研究プロジェクトでは、構造化データの統合に対して求められるニーズ と 予測される影響力 を検討します。
- (2018年)GLAMがウィキデータとウィキメディア・コモンズで採用するワークフロー(仮題※) – GLAMプロジェクトがウィキデータもしくはウィキメディアの(構造化した)コモンズで通るプロセスの一般論。(※=The GLAM workflow on Wikidata and Wikimedia Commons)
- (2018年)コモンズにおいてメディアの再利用者が必要な技術上の理由(仮題※) – この調査プロジェクトではGLAM関連のメディアファイルを大量に採用する再利用者で、使い道がそれぞれのウェブサイトやソフトウェアである場合を対象に含みます。(※=Technical needs of external re-users of Commons media)
- (2019年以降現在まで)Wikidata:リンク付きオープンデータのワークフロー - ウィキデータ、コモンズの構造化データ双方のリンク付きオープンデータに関するツールとスクリプトのワークフロー。
IIIF:リンク、リソース、協議
コモンズの構造化データにおいて2017年から 2019年まで、International Image Interoperability Framework (Q22682088)統合は開発ロードマップに載せていなかったのですが、ボランティア主導の IIIF ツールが複数件、ありました。改良型のコモンズ API(構造化データ使用)もやはり新型で開発しやすい IIIF ソフトウェアを作成しています。 このページには IIIF とウィキメディアのプロジェクトで関連のあるリソースを集めていきます。